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【定年後のお金】年金の繰下げは、国にお金を預けて運用してもらうようなもの

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こんにちは。

 

資産運用か、就労収入か???

以前のブログで、楠木新さんの「定年後のお金」(中公新書)の中から、資産運用と就労収入の比較がしてあった箇所が参考になるとして紹介したことがありました。👇

 

www.tanoken65.com

 

それは、1,000万円を運用して、年3%の実績であれば、利益は30万円、税金が20%ですので、手取りの利益は年24万円になるのに対して、月5万円のアルバイトをすると、年60万円になり、運用で得られる利益の2倍以上の収入になる、という内容でした(同書P.113)。

同じジャンルの定年本である大江英樹さんの「定年前-50歳から始める「定活」」朝日新書)を読んでいましたら、上記と同じような記述がありましたので、ご紹介したいと思います。

就労収入と運用との比較

大江さんは、

月に10万円稼ぐことができれば、60~70歳までの10年間で1200万円の収入が得られます。もし、75歳まで働けば1800万円にもなるのです。一方、退職金を1000万円運用しても10年間で1200万円増やすというのは、決して容易ではありません。老後のお金に関して最も考えておくべきことは、投資ではなく、働いて収入を稼ぐことだと思います。(同書P.40 斜線は筆者)

と書いています。

 

就労収入は、元手0円ですから、0→1200万円。これに見合う運用は1,000万円→2,200万円。確かに、1,000万円を1,200万円にするには、年2%の複利でよいですが、1,000万円を2,200万円にするには、年9.2%複利での運用が必要です。

運用の場合は、安定したプラスばかりではありませんし、浮き沈みがあり、今回のような大暴落もあり得ます。

大江さんが言うように、「退職金投資デビューは老後破綻一直線!」になりかねませんし、「お金に働かせるのではなく、自分が働こう」ということは正解だと思います。

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年金の繰下げはお得な資産運用

また、大江さんの「定年前」には、運用に関して、ちょっと変わった視点からの記述もあり、私はたいへん面白いと思いました。

それは、65歳から受け取るはずの年金5年間繰下げますと、70歳以降に受け取る年金額は42%(月0.7%×60月)増額されます。

これについて

少し見方を変えてみると年金を国に預けて5年間運用してもらい42%の収益が得られるということと同じ意味になります。(同書P.41。斜線は筆者)

と書いてある点です。

5年間で42%の利益、これはすごいですね。

単利8.4%、複利4%ほどになります。

しかも、この4%は運用ではありえない固定の利率です。

これは、なかなかの数字だと思います。

 

繰下げを「その期間、国に運用してもらう」という発想がちょっと思いつかないユニークなもので、大変面白いと思いました。

「私にあなたのお金を預けてもらえたら、年4%の複利で運用し、5年後に必ず1.42倍にしてお返しいたします」と言われたとしたら、「ほんとうかなあ、ちょっと怪しくないかなあ」と、もしかしたら詐欺話ではないかと疑いそうな話ですが、これが法律で約束された話なのですからね。
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繰下げの損益分岐点:つねに受け取り出してから11.9年

年金の繰下げのときに、よく話に出てくるのが損益分岐点です。

繰下げることで受け取らない額を、割増額によって何年で取り戻すことができるかということです。

65歳から年額100万円の年金を受け取らずに、70歳から142万円で受け取ることにした場合、100万円×5年÷42万円=11.9年になります。

つまり、およそ12年で取り戻すことになり、その後はずっと増額後の年金を受け取ることになります。

 

実は、この11.9年というのは、5年繰下げに限らず、いつ繰下げても、常にその時点から11.9年になります。

 

年金の本来額をX、繰下げた年数をY、繰下げ後の年金総額が繰下げしない場合の年金総額に追いつくまでの年数をZとすると、

繰下げた場合の年金総額=繰下げしない場合の年金総額

X×(1+8.4%×Y)×Z=X×(Y+Z)・・・ Z=11.9

まとめ

70歳まで5年間、年金を繰下げて受給すると、それから12年間、82歳までに死んだらをして、83歳以上生きたらをするということです。

しかし、以前にも書きましたが、この損益分岐点の話よりも、毎月の受給額の方が重要ではないかというのが、私の意見です。

損益分岐点は、要するに死んでみないとわからない話です。

それよりも、毎月の年金の受給額は生きている間の生活のことです。

 

その点から言えば、大江英樹さんの、年金繰下げを国に預けて運用してもらうという視点は、おおいに参考になるのではないかと思います。

繰り下げることができる状況であれば、検討してみる価値があると考えます。

大江さんの趣旨は、定年後においては、退職金等の運用よりも、就労での収入、または年金の繰下げを優先して考えるべきだということです。

私も賛成です。

しかし、私の場合は、大ケガをしない範囲内での運用も含めて考えていきたいというのが現状です(しかし、複利で年4%以上の利益を安定して得る自信はありません)。

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おまけ

私は、今回紹介しました大江英樹さんの著書「定年前」を、先日、書店で見つけて購入したのですが、読み終わってから、ふと自分の部屋の本棚を見ますと、なんと、この「定年前」があるではありませんか。

以前に購入したことも、一度は読んだこともすっかり忘れていたのでした! 

まあ、よくあることではありますが、トホホ…でした。

 

今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

  (2020.04.29)(一部修正 2020.06.21最終)

 

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