【厚生年金の実情】80歳の年金額は、65歳の年金額の1割増!
こんにちは。
前回まで4回にわたって、厚労省年金局が、毎年公表しています「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(以下「概況」)のデータから、老齢厚生年金について、「65歳以上」(男性)及び「65歳」時の平均年金月額が、最近10年間に10%以上減っていることを確認し、その要因について考えてきました。
「概況」を見ていますと、いろいろ気づかせてくれるものがありますので、今回は、その中から2つだけご紹介したいと思います。
1.年齢による年金額の違い 80歳は65歳より10%多い
平成30年度「概況」の「年齢別老齢年金受給権者数及び平均年金月額」(参考資料2 P.21)の年齢別の年金額「平成30年度(年度末)」のデータを見てください。
年齢 平均年金月額 指数
65 144,765円 100
66 144,422 99.8
67 142,508 98.4
68 144,067 99.5
69 146,754 101.4
70 147,117 101.6
71 146,279 101.0
72 145,658 100.6
73 147,453 101.9
74 147,997 102.2
75 149,700 103.4
76 151,936 105.0
77 154,092 106.4
78 156,691 108.2
79 158,319 109.4
80 160,214 110.7
81 160,712 111.0
82 161,829 111.8
83 162,958 112.6
84 163,245 112.8
85 162,637 112.3
86 163,477 112.9
87 164,675 113.8
88 167,223 115.5
89 168,293 116.3
※平均年金月額には基礎年金を含みます。指数は私が追加したものです。
生年月日による乗数の違いなど、前回までお伝えしました年金額の減少の要因のいくつかがそのまま反映して、年齢が上がるにしたがって年金額は多くなっています。
65歳の時の年金額に比べて、70歳で1.6%増、75歳で3.4%増、80歳で10.7%増、85歳で12.3%増になっています。比較できる最高齢である89歳では16.3%増です。
2.都道府県での違い
次に、平成30年度「概況」で、「都道府県別老齢年金受給者数及び平均年金月額」(参考資料1 P.20)のデータを見てみたいと思います。
◆平均年金月額の高い方からの順位
1 神奈川県 166,531円
2 千葉県 160,930円
3 東京都 159,517円
4 奈良県 159,405円
5 埼玉県 156,752円
6 兵庫県 155,182円
7 愛知県 155,060円
8 大阪府 152,497円
9 滋賀県 148,987円
10 京都府 147,863円
( 中略 )
38 高知県 126,543円
39 鳥取県 126,375円
40 鹿児島県 125,784円
41 熊本県 125,427円
42 岩手県 125,084円
43 沖縄県 123,753円
44 山形県 123,262円
45 宮崎県 122,160円
46 秋田県 121,672円
47 青森県 121,447円
※平均年金月額には基礎年金を含みます。
年金額の最も高い神奈川県の平均年金月額は、最も低い青森県の1.37倍の金額になっています。
この差はちょっと大き過ぎますね。
東京圏、近畿圏などの都会が高くて、そこから遠い地方が低い状況です。
現役のときの給料の差が表れているのでしょうか。
(1人当たり県民所得の順位と全体的には似ていますが、順位の中身はかなり違っています。県民所得は東北地方が九州よりも高くなっています。)
今回は、厚労省の資料(平成30年度)から、老齢厚生年金の平均月額について、年齢による違い、及び都道府県による違いについてお伝えしました。
今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。
(2020.02.09)(一部修正 2020.06.20最終)