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【コロナウイルス関連】生活に困ったら、遠慮せず生活保護申請を。その時に注意することは?(その1)

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こんにちは。

前回のブログで、貧困対策に関するフランス厚労省の反応が、日本と随分違っていることをお伝えしましたが、その最後の方で「新型コロナウイルス感染拡大に伴い、解雇、雇止め、休廃業等によって生活保護の申請者が大幅に増えていると報道されています。/生活保護の申請は、憲法で保障されている生存権の行使です。困った人は申請することを遠慮する必要はありません。」と書きました。

そこで、今回はその流れで、生活保護を申請する際の注意事項について、現場経験者としてお伝えしたいと思います。

1.生活保護費はいくら支給されるのか?

まずは、生活保護仕組みをごく簡単に確認しておきます。

生活保護は、国が決める生活費の基準額(A)より、その世帯の収入額(B)が少ないときに、その少ない額を扶助費(C=A-B)として支給するものです。

A:国が決める生活費の基準額(最低生活費)

生活保護世帯単位の制度になっています。

その世帯の居住している場所、世帯人数、世帯員の年齢、障がいの有無、母子世帯かどうかなどによって、世帯ごとに異なります。

いま、ネット上の生活保護費の自動計算ツール(2019年10月1日時点)👇を使って、東京・品川区居住のケースの最低生活費を計算してみます。

[ケース1:41-59歳1人暮らし]

生活扶助基準額80,160円、アパート等の家賃分の住宅扶助基準額53,700円実際の家賃がこの額を下回るときはその家賃の額)、合計月額133,860円が最低生活費になります。


[ケース2:母親41-59歳、中学生の子1人]

生活扶助基準額119,680円母子加算22,790円児童養育加算10,000円住宅扶助基準額64,000円(実際の家賃がこの額を下回るときはその家賃の額)、合計216,470円


生活保護費の自動計算サイト https://seikatsu-hogo.net/

(正しくは、福祉事務所で確認する必要があります。)

※なお、上記の例はわかりやすいように、生活扶助、住宅扶助のみ計算していますが、生活保護の中には、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助があり、例えば世帯員のなかに小中学校生がいれば、教育扶助費の基準額が加算されます。

 

B:収入の計算(収入認定)

収入は、給与、年金、預貯金、仕送りを含めて、全世帯員のすべての収入の合計額になります。

また、活用できる資産等があればそれも活用する必要があります。

しかし、就労収入は全額を収入とみるのではなく、収入の額に応じた決められた必要経費を差し引きます。

年金は全額を収入として計算しますが、障害年金の場合は、Aの最低生活費に障がい者加算(1級26,810円、2級17,870円)が加算されます。

上記のケース2の母子世帯の場合、母親の就労収入のほか、児童手当児童扶養手当の全額も収入認定されます。

※なお、今回のコロナウイルス感染拡大に伴う特別定額給付金子育て世帯への臨時特別給付金、及び同趣旨に基づく地方自治体からの給付金等は、生活保護を受けている場合にも収入認定しないこととされています。

 

C:生活保護費(扶助費)

もし、ケース1が失業等によって、収入ゼロの場合は、家賃分を含めて、月133,860円が支給される計算になります。

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2.申請に当たっての注意事項

(1) 丸裸になる前に申請すること(決定までには日数がかかります)

◆申請から保護決定まで

市区役所等(福祉事務所)に、生活保護の申請相談に行って、面接を受けて申請書を提出したとしても、その日に扶助費が支給されるわけではありません。

一般的には、申請後に、福祉事務所の職員(ケースワーカー)が申請者の住居を訪問したうえでいろいろ聴き取り調査をし、また、銀行等への資産照会調査をしてから、福祉事務所長が決定するという手続きを経ます。

 

◆14日以内に決定

生活保護法では、申請から14日以内に決定をすることになっていますが、特別な理由がある場合には30日以内に決定すればいいことになっています。

決定までは扶助費は支給されませんので、申請時点で財布の中身がスッカラカンなら途端に生活に困ってしまいます。

したがって、申請時点では、半月から1ヶ月は生活できるだけのお金は残して置く必要があります。

生活保護の開始が決定されたときは、申請日にさかのぼって生活保護費(扶助費)が支給されます。

 

◆保護申請時点の所持金

保護申請した人の所有する現金、預貯金等は、上記の収入の計算(収入認定)において、申請者の収入として計算される(その分、扶助費が減らされる)のが原則ですが、例外的に、申請時には上記の最低生活費の5割以内の手持ち金は収入認定の対象外になっています。

上の東京23区41-59歳の一人暮らしの例では、133,860円×0.5=66,930円までは持っていても収入とはみなされません。

しかし、その額を超える分は収入として計算されます。

 

◆保護決定通知書

保護が決定したら、却下の場合を含め、保護決定通知書が送付されてきます。

保護開始後も、保護を受けている間に、扶助費の額など何らかの変更が生じたときは、必ず通知書が来ますので、後日の不服申立て等のためにも保管しておくことが大切です。

申請のとき、14日を過ぎて決定通知書が来たら、そこに遅くなった理由が付記されているはずです。

30日を過ぎても決定通知が来ない時は、法的には却下されたものとみなすことができますが、単に事務処理が遅れている場合もありますので、福祉事務所に問い合わせるか、少し余裕があれば数日間は待ってみましょう(通知書の日付が申請日から30日を超えていたら生活保護法に違反した事務処理になります)

 

以上、生活保護を申請する際の注意事項について、手持ちのお金をある程度残したうえで申請する必要があることをお伝えしました。

次回は、資産調査、扶養義務調査などについてお伝えしようと思います。

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今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

 (2020.05.25)(一部修正 2020.06.29最終)