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【高齢者の働き方】高齢者雇用の受け入れ企業は、年々増加。(65歳-70歳の雇用の状況)

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こんにちは。

先日、65歳から70歳までの高年齢者の就業確保措置を努力義務とする法案が成立したということをお伝えしました。

今回は、この年齢層の人たちの雇用の状況について確認したいと思います。

 1.厚労省の「高年齢者の雇用状況」

60歳以上65歳までの雇用確保措置の実施状況は、ほぼ100%であると何度かお伝えしました。

重複しますが、厚労省「高年齢者の雇用状況」(※)によると、次のようになっています。

※集計対象:全国の常時雇用する労働者が31人以上の企業161,378社

https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/000569181.pdf

◆令和元年度「高年齢者の雇用状況」集計結果 (6月1日現在)

 高年齢者雇用確保措置の実施状況 99.8%

 <内訳>「定年制の廃止」2.7%

     「定年の引上げ」19.4%

     「継続雇用制度の導入」77.9%

この「高年齢者の雇用状況」のなかで、新しく制度の導入が決まった65歳以上70歳までの高年齢者就業確保措置に関係する項目がありますので、それを紹介したいと思います。

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(1)66歳以上働ける制度のある企業の状況

66歳以上働ける制度のある企業の割合は30.8%(前年より3.2ポイント増加)となっています。

企業規模別に見ると、中小企業(労働者数31人~300人)では31.4%(同3.2ポイント増加)、大企業(労働者数301人以上)では25.3%(同3.5ポイント増加)となっています。

(2)希望者全員が66歳以上働ける企業の状況

希望者全員が66歳以上働ける企業の割合は11.7%(前年より1.1ポイント増加)となっています。

企業規模別に見ると、中小企業では12.6%(同1.2ポイント増加)、大企業では4.2%(0.7ポイント増加)となっています。

この調査は「66歳以上」となっていて「何歳まで」がないのが残念ですが、60-65歳の雇用確保措置を「卒業」した人たちの労働環境も、徐々に広がっている様子がわかります。

特に、中小企業では、人手不足のためと思われますが、高年齢者への門戸が大企業に比べて広いようです。

実際、65歳以上の常用労働者数も年々増加しています。 

      (万人)
平成22年   65.7
平成23年   62.2
平成24年   68.4
平成25年   78.7
平成26年   91.9
平成27年    106.7
平成28年      122.4
平成29年      143.1
平成30年      156.2
令和元年      171.7

 

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2.労働政策研究・研修機構の「高年齢者の雇用に関する調査」

次に、独立行政法人労働政策研究・研修機構が、2019年5月1日を基準日として行った「高年齢者の雇用に関する調査」(※)を見てみたいと思います。
※:調査対象:常用労働者50人以上を雇用している企業20,000社(農林、漁業、鉱業、複合サービス業、公務は除く)。有効回収数は5891、有効回収率は29.5%。

調査シリーズNo.198『高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)』|労働政策研究・研修機構(JILPT)

このなかで「65 歳以降の高年齢者が希望すれば働き続けられる企業と働くことができない企業」の調査では、「希望者全員が働くことができる企業」の割合が21.8%、「希望者のうち基準に該当した者のみ働くことができる企業」が58.0%となっています。

同じ調査を行った2015年調査では、「希望者全員が働くことができる企業」は10.4%、「希望したら基準に該当した者は働くことができる企業」は55.5%でしたので、「希望者全員が働くことができる企業」の割合が4年前から10ポイント以上増加しています。

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今回の調査で、「希望者全員が働くことができる企業」の割合を企業規模別に見ますと、従業員数100人未満の企業では24.8%100人~299人の企業では20.5%300人~999人の企業では16.4%1,000人以上の企業では13.2%となっています。規模が小さいほど「希望者全員が働くことができる企業」の割合は高くなっています。

また、「希望者全員が働くことができる企業」の割合を業種別に見ますと、割合の高い業種は、運輸業32.9%飲食業・宿泊業30.6%電気・ガス・熱供給・水道業29.2%医療・福祉業27.6%サービス業25.4%建設業24.9%などとなっています。

反対に、金融・保険業1.8%情報通信業5.9%などが低くなっていて、業種によって高齢者の雇用の受け入れに大きな違いがあることがわかります。

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3.共同通信社の調査

65歳以上70歳までの高年齢者就業確保措置に関する企業側の対応について、共同通信社が、主要110社を対象に行った結果が報道されました。

【共同通信社 調査】:70歳就業 慎重論多く 企業は二分、浸透に時間 - 

それによりますと、70歳までの就業確保策に関して、「すでに環境がある」企業が10社、「これから環境を整える」企業が40社、「現時点で検討に着手していない」企業が46社、「対応する予定はない」企業が4社になっています。

努力義務化の施行は来年4月ですから、企業の多くは「これから」という感じです。

4.まとめ

高齢者の雇用を受け入れようとする企業の割合が、年々上昇していることを確認することができました。

高齢者にとっては、働きやすい社会になりつつあると言えるようです。

これは、企業側(特に中小企業)としては「人手不足」ということが最も大きな要因でしょうし、国としては、それとともに、高齢者を年金の受給者であると同時に担い手(保険料の負担者)にもなってもらうという狙いもあるのでしょう。

 

しかし、高齢者自身としましては、そんな国や企業の思惑とは離れて、家族と家計のことを念頭に置きながら、これまで以上に、自分自身のこれからの人生の過ごし方を一番に考えた中での選択ということになると思います。

やがて必ずやってくる「死」を見つめて悔いのない過ごし方を模索するなかでの「働き方」ということになります。

上記の調査結果からもわかりますように、高齢者の「働き方」の選択の幅は広がっています。

前回、お伝えしましたように、制度面でも高齢者の多様な働き方に応じたかたちが整備されつつあります。

あるいは、「雇用」にこだわる必要もありません。

自営業やフリーランス、ボランティア活動という道もあります。

高齢者にとって働くことの選択の幅が広がりつつある流れが、新型コロナウィルス感染症による経済活動の停滞によって、後戻りしないように祈りたいと思います。

 

今回は、厚労省及び労働政策研究・研修機構の高年齢者の雇用に関する調査結果をご紹介しながら、高齢者の「働き方」について考えてみました。

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今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

  (2020.04.25)(一部修正 2020.07.01最終)

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