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【多様な働き方】フリーランスの現状とその保護について

 

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こんにちは。

 先送りになった課題

前回、全世代型社会保障検討会議についてお伝えしましたが、先送りになっている項目に、労働分野の「兼業・副業の拡大、フリーランスなど雇用によらない働き方の保護の在り方」というのがあります。

また、来年4月から努力義務化される、65歳-70歳の新たな「就業確保措置」は、65歳までの雇用確保措置の3項目(定年の引き上げ、継続雇用、定年の廃止)に加えて、労使で同意した上での雇用以外の2項目(継続的に業務委託契約する制度、社会貢献活動に継続的に従事できる制度)の計5項目のいずれかの措置を導入することを指しますが、後者2項目のうちの「継続的に業務委託契約する制度」の具体例としてフリーランスになった元社員に仕事を発注することなどが想定されているようです。

 

上記の中間報告にも、フリーランスについて「特に、高齢者の就業機会の拡大に貢献することが期待される。」と記載されていることからも、高齢者が一つのターゲットになっているようです。

フリーランスの保護とは? 何が課題か?

これから増加していくと想定されるフリーランスの保護とは何でしょうか? 

何が問題、課題になっているのでしょうか?

中間報告では、

フリーランスと呼ばれる働き方は多様であり、労働政策上の保護や競争法による規律について様々な議論がある。このような議論があることも踏まえ、内閣官房において、関係省庁と連携し、一元的に実態を把握・整理した上で、最終報告に向けて検討していくこととする。

とされています。

「労働政策上の保護や競争法による規律について様々な議論」???

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日経新聞から

今年1月28日付日経新聞に、フリーランス 進まぬ保護」という記事が掲載されました。

www.nikkei.com

 

この記事を見ますと、フリーランスは国内就業者の約5%306万~341万人程度(内閣府推計)とされますが、その約4割が取引先との専属・優先の取り決めをしているか、専属・優先が慣行となっていて、特定の企業に依存する「名ばかりフリーランスということです。

そして、これらの人の立場は弱くて、契約が更新されない、解除される心配があるほか、期日までに報酬が支払われなくても泣き寝入りするしかないケースもあるようです。

フリーランスの仕事のありようは多様であり、「専属」の度合い、収入、労働時間の定義そのものが難しいこともあり、また、フリーランス側からも保護規制に対する慎重な声を出ているとのことで、なかなか議論が進んでいない状況のようです。

取引先に対して弱い立場にあるフリーランスの保護するための方策としては、報酬の基準の設定、安全や健康を守る取り組みを企業に求めることなどが想定されているようです。
 
外国を見ますと、労働人口1億6千万人のうち6千万人がフリーランスで働いているアメリでは、フリーランス最低報酬を定める法律が成立し、ドイツでは、フリーランス労働保護法の対象として、安全管理や健康確保措置などを企業に義務付けているとのことです。

書き込み, 自宅で仕事, デスク, 男, 計画, ホーム オフィス厚労省の検討会報告書から

厚労省「雇用類似の働き方に関する検討会」報告書(平成30年3月30日)

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11911500-Koyoukankyoukintoukyoku-Zaitakuroudouka/0000201101.pdf


から、現状を見てみますと、業務の種類は、「事務関連」、「デザイン・映像製作関連」、「IT 関 連」、「専門業務関連(医療、技術、講師、芸能、演奏など)」、「生活関連サービス、理 容・美容」、「現場作業関連(運輸、製造、修理、清掃など)」と、まさしく多種多様です。

契約時に、取引先から書面等による契約内容の明示が「ある」のは54.9%にとどまっていて、なかには口約束、「あうんの呼吸」での受注も残っているようです。

契約内容について「取引先が一方的に決定した」割合が約4分の1、仕事の報酬額についても「取引先が一方的に決定した」割合が3分の1あるようです。

「作業内容・範囲についてもめた」「仕様を一方的に変更された「一方的に作業期間・納品日を変更された」「報酬の支払いが遅れた・期日に支払われなかった」といったトラブルも実際に起きていて、そのトラブルの4分の1程度は「特に何もしなかった」と、まさしく「泣き寝入り」です。

この報告書は、今後、検討していくべきフリーランス保護の内容として、次の項目を挙げています。

<契約条件の明示>

<契約内容の決定・変更・終了のルールの明確化、契約の履行確保>

<報酬額の適正化>

スキルアップやキャリアアップ>

<出産、育児、介護等との両立>

<発注者からのセクシュアルハラスメント等の防止>

<仕事が原因で負傷し又は疾病にかかった場合、仕事が打ち切られた場合等の支援>

<紛争が生じた際の相談窓口等>

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まとめ

企業の人件費節減、人手不足、残業時間規制の強化などによって、業務の外注は増えています。

コロナ後の社会では、より一層その動きが強まるのではないかと思います。

全世代型社会保障検討会議の報告書には、独立自営業者になった理由については、「自分のペースで働く 時間を決めることができると思った」割合35.9%、「仕事内容・質」「就業時間」「働きがい、やりがい」「働きやすさ」「仕事全体」については6割以上が「満足している」「ある程度満足している」と回答していることなども報告してあります。

しかし、立場の弱いフリーランスの人もいるわけで、多様な働き方というと聞こえは良いですが、反面では多様な働かせ方になっている現実もあります。

何か困難な事情が生じたときに、いつも弱い立場の人にしわ寄せがくる構図は、フリーランスにおいても変わりがないようです。

いまストップしている全世代型社会保障検討会議が、最終報告に向けて、どのような論議になっていくかわかりませんが、その結果云々に関わらず、フリーランスで仕事をする方も、いろいろな状況に立ち向かっていけるようなスキルを身に着けることが必要だと考えます。

今回は、フリーランスの保護について考えてみました。

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今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

  (2020.05.17)(一部修正 2020.06.29最終)