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【公的年金の繰下げ受給】②私は「繰下げ」する? しない?

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今回は、公的年金の繰下げについて考える後編で、私自身はどうするのかについてお伝えしたいと思います。

前回も触れました厚労省の資料(第12回社会保障審議会年金部会 2019年10月18日 資料1「繰下げ制度の柔軟化」https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000558227.pdf

P.14)に、「繰下げ受給が選択されにくい要因として考えられるもの」として、次の3項目が挙げてあります。

(a)特別支給の老齢厚生年金と繰下げ

(b)加給年金・振替加算が支給されない

(c)在職支給停止相当分の年金については繰下げによる増額の対象とならない


(a)と(b)については、私の場合も当てはまりますので、それぞれ内容を確認していきたいと思います。

 

(a)特別支給の老齢厚生年金と繰下げ

現在、厚生年金は65歳からの支給が原則ですが、以前は60歳から支給されていたことから、それを65歳に制度改正したときの経過措置として、60歳台前半でも、特別支給の老齢厚生年金が支給される場合があります(生年月日によって支給開始年齢は違います)。

 

私もこれに該当し、(報酬比例部分のみの)老齢厚生年金を61歳から受給してきました。

そうしますと、上記の厚労省資料に「60代前半で既に年金収入を前提とした生活を形作ることとなり、65歳到達後に繰下げ受給のため、いったん年金受給をやめる選択をすることは現実的に難しいと考えられる。」と記載してある通りの判断にならざるを得ません。

あと5年(公務員を除く女性は10年)経って、経過措置が終了して、60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金がなくなれば、繰下げる人たちも増えていくことと思われます。

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(b)加給年金額・振替加算が支給されない

老齢厚生年金には、その受給権者に65歳未満の(生計維持している)配偶者がいる場合、加給年金額という加算が付きます。

配偶者が65歳になって自らの年金を受給するまでの扶養手当のような性格です。

加給年金額は、老齢厚生年金の受給権者の生年月日が昭和18年4月2日以降の場合、年額390,100円です(配偶者特別加算額を含む)。

もし老齢厚生年金を繰下げたときは、この加給年金額も支給されません。

本体の年金がないわけですから、それに対する加算もないということです。

それでは、老齢厚生年金の受給を開始したら、加給年金は遡って貰えるか、と言えばそういうことはありません。

繰下げ期間中の加給年金額は、支給されないままで終わりです。

 

私の場合も、これに該当します。

私より配偶者が年下ですから、配偶者が65歳になるまで年間39万円の加給年金が加算されます。

もし、繰下げると、この金額は貰わないままになってしまいます。

なお、振替加算とは、加給年金額の対象となっていた配偶者が65歳になって老齢基礎年金を受給する際に、加給年金額がなくなる代わりに老齢基礎年金に加算されるものです。

振替加算の額は、老齢基礎年金受給権者(配偶者)の生年月日によって異なりますが、加給年金に比べると少額です。

例えば、昭和30年4月2日から昭和31年4月1日に生まれた人の場合、年額50,962円です。

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(c)在職支給停止相当分の年金については繰下げによる増額の対象とならない

これは、65歳以降で厚生年金加入者となって就労している場合、給料(当該月以前1年間の賞与も含む)と年金額の合計額が、月額47万円を超えると、超えた分の半分相当額の年金が支給停止(減額)されるという在職老齢年金に関するものです。

 (在職老齢年金については、👇のブログを参照してください。)

 

www.tanoken65.com

 

65歳以降も働いて給料を貰い、年金を繰下げた場合には、年金は貰っていないのでこの在職老齢年金のしくみは関係ないだろう、と思いがちですが、さにあらず、この場合でも、繰下げしないとすれば支給停止(減額)されていた年金の部分は繰下げによる増額の対象にはならないということです。

国もしっかり(ちゃっかり?)していますね。「うまい話」はないものです。

私は、今のところ会社勤めをしていませんので、これには該当しません。

以上、私の場合は、(a)により、老齢厚生年金の繰下げという選択はありません。

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老齢基礎年金の「繰下げ」する? しない?

では、老齢基礎年金はどうするのか、ということが次の問題になります。

年金制度は2階建てであり、国民年金(基礎年金)の上に厚生年金が乗っかっている形です。

ですから、65歳からは老齢厚生年金と老齢基礎年金の2つの年金を受給できます。

そして、前回お伝えしましたように、繰下げについては、それぞれの年金で選択することができます。

私の場合、老齢厚生年金は繰下げしないが、老齢基礎年金は繰下げるということが可能です。

そして、私の判断は? 今のところの答えは「保留」です。

 

65歳になる月に、日本年金機構から「年金請求書」のハガキ(👇写真)が送られてきます。

そこに「老齢基礎年金のみ繰下げ希望」「老齢厚生年金のみ繰下げ希望」の欄があり、それぞれ希望内容に従って〇で囲んで提出するだけの簡単なものです。

もし、両方とも「繰下げ」を希望する場合はハガキの提出は不要です。

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私にも、このハガキが送られてきましたが、未提出のままです。

私の場合、現役の時は公務員共済でしたので、H27年10月施行の被用者年金の一元化の後も、年金の大きな部分は共済組合から支給されていて、これについては65歳からの年金支給について共済組合に請求済みです。

ただ、定年退職後の再雇用期間は、共済ではなく一般の厚生年金加入に変わりましたので(健康保険は共済から協会けんぽに変更)、僅かながら老齢厚生年金も支給されています。

「繰下げ」は急いで決めなくてもよい。

「繰下げ」をする、しないについては、65歳時点で決める必要はありません

請求をしないまま、例えば68歳になったときに、繰下げ受給を選択するかどうかを決めることができます。

繰下げ受給を選択すれば、そのときから0.7%×12月×3年=25.2%増額された年金を受給することになり、繰下げを選択しない場合は、3年分の増額しない年金を一括して受給し、以後は増額されない年金を受給していく、ということになります。

ですから、急いで決める必要はありません。

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私は、今のところ判断を保留している状態で、今後のわが家の家計の状況を見ながら、適当な時期に老齢基礎年金を請求し、「繰下げ」をする、しないについてもその時に考えようと思っています。

ただし、繰下げをせず、請求前の分を一括して受給した場合のの扱いは複雑になるようで、税務署に尋ねてみる必要がありそうです。

また、繰下げによる老齢基礎年金の増額による税・保険料への影響額も、私の世帯に合わせて試算してみる必要があります。

なお、共済ではない老齢厚生年金についても未請求の状態ですが、共済部分を請求していますので、こちらは繰下げる選択はできません。

請求時に一括して支給されることになると思います。国民年金と厚生年金はそれぞれで選択ができますが、同じ厚生年金の中での種類の違う年金間で異なる選択はできません。)

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以上、2回にわたって、公的年金「繰下げ」について考えてきました。

思ったよりも複雑でした。

繰下げ利用者がまだ1%台ということもあり、あまり難しいことは考えずに、原則通り65歳から受給するのが正解かもしれませんね。

私は、保留していますが・・・。
 
今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。
 (2020.01.22)(一部修正 2020.06.19最終)

 

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