【大学生の皆さん】年金は老齢ばかりではありません! まだの人は学生納付特例を急いで!!
こんにちは。
先日、年金勉強会で他の社労士さんと話していたときに、精神的に不調になって、20歳以降に初めて精神科の医療機関に受診した学生さんが、障害の程度としては年金の2級以上に該当するものの年金保険料の納付要件に該当しないために障害年金を受給できなかったケースが複数あったとのことでした。
若い人たちは、年金と聞くと高齢になって仕事も引退してからの話として、また日本の年金制度は当てにならないとか、そのうちに崩壊するとか無責任な言説も流布しているきらいもありますので、自分の問題としてはなかなか捉えにくいかもしれません。
しかし、年金制度は老齢年金ばかりではなく、障害年金、遺族年金もあります。
(基礎年金と厚生年金の区分もありますが、今日は基礎年金についてお伝えします。)
とくに障害年金はものすごく身近な問題です。
いろいろなストレスが重なってうつ病になる、通学中の交通事故でケガを負ってしまうということは誰にでもいつでも起こりうることです。
そのようなときに一つの手続きをしていれば、月額6万5,000円の障害基礎年金をもらえたのに、それをしていなければもらえないという実例が多く発生しています。
結論を先に言ってしまえば、とにかく国民年金に加入して学生納付特例の適用を受けること、これにつきます。
障害年金を受給するためには、次の3つの要件をすべて満足する必要があります。
①初診日要件
②認定日要件
③保険料納付要件
①初診日要件とは
その障害の原因となった傷病で初めて医療機関に受診したときに年金の加入者であることを言います。
20歳以上60歳未満の人は、国民年金は強制加入ですから基本的に20歳以上の大学生はこの要件はクリアできます。
(20歳前に初診日のある場合は保険料納付要件は考える必要がありません。)
②認定日要件とは
障害認定日に年金制度における障害の程度に該当している必要があります。
これは当然ですね、障害があるから障害年金をもらえるわけですからね。
障害認定日は、原則、初診日から1年6ヶ月経過した日になります。
障害の程度は、医師の診断書によって判断されます。
③保険料納付要件とは
そしていよいよ納付要件の話になります。
今日、もっともお伝えしたいことです。
次のいずれかを満足する必要があります。
(a)原則:初診日の前日において、保険納付済期間、保険料免除期間を合わせて、その人の国民年金期間(初診日のある月の前々月まで)の3分の2以上であること
(b)特例:初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと(ただし、初診日が令和8年4月1日前、かつ初診日において65歳未満の場合)
保険料(年金掛金)を納めていない人(義務を履行していない人)は、障害年金をもらえない(権利がない)と言うことです。
ただし、上記にあるように保険料の納付だけではなく免除を受けていてもこの要件はクリアできます。
そして、大学生は学生証や在学証明書を提示すれば、原則「学生納付特例」の適用を受けることができます。
学生納付特例の適用を受けますと、当面、国民年金保険料(今年度は月額16,610円)を払う必要がありません。
この期間は、将来の老齢基礎年金の受給資格期間になりますが、額の算定には含まれません。
ただし、10年以内であれば後から保険料を納付することができます(保険料の追納)。
学生納付特例の手続きをすれば、実際に保険料を納付していなくても、障害年金の保険料納付要件を満足することにつながります。
しかし、学生納付特例の申請日が初診日より先でなければいけません。
いつケガをするかわかりません、いつ病気になるかわかりません。
20歳になる前に年金機構から案内通知がいくようです。
年金は住民票主義ですので、実家の方に案内が行っているかもしれません。
とにかく手続きがまだの人は、市区町村役場、年金事務所に相談して学生納付特例の手続きをしてください。
いちど日本年金機構のホームページで制度について確認していただければと思います。
今日は、もらえる年金がもらえないということがないように学生の皆さんにお伝えしました。
今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。
(2021.08.08)