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【GPIF 2020年度の運用実績】第1四半期は12.5兆円の黒字でした!

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こんにちは。

 1.はじめに

 以前のブログ(今年7月24日)で、GPIF年金積立金管理運用独立行政法人)の2019年度の運用実績について、年間8兆円もの赤字を出したこと、特に、新型コロナウイルス感染症の拡大による株価急落の影響を受けた第4四半期赤字額は18兆円に達したことをお伝えしました。

 

年金積立金の運用による損益は、積立金の現金が増えた、減ったというものではありません。

あくまでも、その時点における株式等の評価額の増減です。

ですから、株価が下がれば積立金の運用資産の評価額は減り、株価が上がれば増えます。

 

3月末には、コロナウイルス感染症拡大に伴う暴落から株価は回復しつつありましたので、2020年度第1四半期で運用益がでることは、当然見込まれていたものです。

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2.2020年度第1四半期の運用実績

GPIFが公表した「2020年度第1四半期運用状況(速報)」によりますと、この期(4-6月)の運用実績は、12兆4,868億円黒字でした。

この額には、利子・配当収入(インカムゲイン1兆160億円が含まれますので、運用益11兆4,708億円になります。

 

昨年度の8.3兆円の赤字額には3.2兆円のインカムゲインが含まれていますので、運用損11.5兆円になります。

したがって、昨年度の運用損失額と、今年度の第1四半期の運用利益額はほとんど同額ですので、この4-6月期の運用によって、昨年度の赤字額を回復したとは言えそうです。

 

短期での運用実績をことさら取り上げることよりも、長期の実績を見ることの方が重要だとはわかっていますが、なにせ前年度の実績が、コロナ禍による大幅赤字でしたので、それを取り戻したということはひとつの安心材料ではあると思います。

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3.4資産ごとの状況

(1) 資産構成
2020年
6月末
資産額
(億円)
資産構成
(%)
国内債券   432,439   26.33
国債   358,198   21.81
国内株式   400,333   24.37
外国株式   451,483   27.49
計(※)  1,642,453   100.00

GPIFは、今年度から各資産の割合を25%(それぞれ乖離許容幅の設定あり)に変更しています。

 (2) 収益額
(億円) 2020年度
第1四半期
2019年度
国内債券      -1,371     -1,221
国債     11,364    10,154
国内株式    39,689   -37,015
外国株式    75,144   -54,887
(※)  124,826   -82,969
※GPIFの運用資産には、このほか短期資産、財投資産があります。

 GPIFが多く保有する米国のNASDAQ銘柄は、コロナによる暴落から回復して、過去最高値を更新していますから、外国株式での運用益が多くなっています。

国内株式も順調です。

国債権の構成割合を増やしたことも功を奏しているようです。

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 (3) 収益率
(%) 2020年度
第1四半期
2019年度
国内債券  -0.46   -0.36
国債   3.45    3.55
国内株式  10.95   -9.71
外国株式  19.99   -13.08
計(※)    8.34   -5.26

国内債券を除き、目覚ましい復調ぶりです。

ただし、下記のベンチマーク収益率と比較しますと、国内債券と外国株式はほぼ同等、外国債券と国内株式はベンチマークに劣っています。

ベンチマーク収益率(%)  
国内債券 NOMURA-BPI
(除くABS)
 -0.49
国債 FTSE世界国債インデックス
(除く日本、円ベース)
  2.60
国内株式 TOPIX
(配当込み)
  11.25
外国株式 MSCI ACW
(除く日本、円ベース)
  19.94

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(4) 手数料

GPIFは、運用受託機関に直近3年間累計額で約938億円資産管理機関に同じく約356億円、そのほか証券貸付運用に係る手数料として約203億円、合計およそ1,500億円(1年平均500億円)の手数料を支払っています。

 

素人の私には、手数料の計算がどうなっているのかわかりませんが、ベンチマーク収益率を下回っている資産銘柄についても、高額の手数料を払っているのであればそれはどうか…と思ってしまいます。

 

ベンチマークの資産を保有して何もせずじっとしているよりも成績が悪い運用会社に対しても、高額な手数料を払うというのは、ちょっと、どうも納得がいかないというか、専門機関なら、しっかり実績を上げろよ! と言いたくなります。

 

まあ、それでも資産総額はおよそ160「兆円」で、手数料は運用部分だけでは年間約300「億円」程度ですからね、割合としては小さいものです。

しかし、原資はみんなが支払った厚生年金、国民年金保険料ですからね。

1円たりとも無駄にはしてほしくありません。

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(5) 情報公開

 しかし、こうして運用受託機関に対する手数料を含め、具体的な数字を公開してくれていることは、当然のことではあるでしょうが、GPIFに対する国民の信頼感を醸成することにはなると思います。

民主主義社会において、情報公開の持つ意味は非常に大きく、その基盤を成すものだと考えます。

 

どこかの国においては、都合の悪い公文書を改ざんしたり、シュレッダーにかけたりしているようですが、そのような国はもはや民主主義国家とは言えないでしょう。

 

今回は、GPIFの2020年度第1四半期の運用実績が、12.5兆円プラスであったことをお伝えしました。

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今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

(2020.09.04)